絶対に仕事がほしいので、誰も見たことがない履歴書を作ることにした
みなさんはじめまして。ルツと申します。24歳、男性、職業は無職です。
今年の4月に会社をクビになってしまい、気付けば残金2万円。まさしく崖っぷちで生きています。
さすがにそろそろ就職活動を始めなければいけないのですが、実は就職活動に関して、以前から疑問に思っていることがあります。それは・・・。
履歴書って、お互いを不幸にしてるシステムじゃない?
履歴書。志望者側にとっては当然、無いほうが楽な書類です。
手書きかパソコンどっちで作った方がいいのかわからない空気感、「どうせ面接でもう一度聞くくせに...」と思いながら書く志望動機。
履歴書を書くことに喜びを感じる人がいるとすれば、自分の学歴を書くことで恍惚感に浸れる人間だけでしょう。
また、履歴書を読む側の方にとっても大変だと思います。
同じような内容の履歴書を大量に見るのは飽き飽きするでしょうし、どの志望者も同じように見えてしまうのではないでしょうか。
そこでどうしても仕事が欲しい私は考えました。
「誰も見たことがないぐらい目立つ履歴書を作ったら、面接まではたどり着けるんちゃう?」
履歴書の構造を考えよう!
ということでクソバカな履歴書を作ることにしたので、まずは何が書かれていれば履歴書として通用するのかを考えることにしました。
履歴書に書かれていることは、大きく分けて以下の7つです。
- プロフィール - 名前、年齢、性別、住所、連絡先
- 学歴・職歴
- 資格
- 特技
- アピールポイント
- 志望動機
- 本人希望覧
この内容さえ書かれていれば、誰が何と言おうと履歴書として通じることになります。この内容にだけはしたがって、クソみたいな履歴書を書いていきましょう。
プロフィール
プロフィール。履歴書では最初に出てくる、いわば自己紹介の部分です。
では履歴書以外で、「日本人のほとんどが知っている、冒頭の自己紹介」にはどんなものがあるのか考えてみました。
それは・・・。
素人ものAVの最序盤にあるインタビューです。
「名前はなんて言うの?」「年は?」「緊張してる?」と質問してくる、アレですね。
私の偏見では「ほとんど全ての男性はAVを見たことがある」と思っていますし、女性の方も彼氏と一緒に「ヤダ~♡ウフフ~♡」とか言いながら見た経験がある人もいるのではないでしょうか。クソが。
ということで今回は「AVに初出演する女優へのインタビュー」形式でプロフィールを作成しました。
それがこちらです。
一部は隠しましたが、「これからあられもないことが始まるんやで...。」という雰囲気が表れています。やはり「緊張してる?」の部分は外せませんね。
ここから下をさらに見てみようとすると
思春期の男の子が必ず出会うバナーが設置されています。
学歴・職歴
次に履歴書に書かれているのが《学歴・職歴》の部分です。学歴と職歴は、「志望者が今までどのような経験をしてきたのか」を知るためにある項目だと思います。
しかし、現実問題、学歴や職歴のみでその人がどんな人生を歩んできたかわかるものでしょうか?大学だけならいざ知らず、星の数ほど企業がある以上、
「へぇ~、○○大学卒業の××会社勤務かぁ...どこ?それ」
となってしまうことも多いと思います。こう考えると、学歴主義の採用が行われてしまうのも仕方ないのかもしれません。
ということでこの項目では、学歴や職歴を超えて私のことを知ってもらえるよう、「Wikipediaにあるような、文章式の経歴」を書くことにしました。
私の過去を赤裸々に記載したため残念ながらお見せすることができないのですが、一部を抜粋してお伝えします。
悲しい現実ですね。
辛い現実。
現実は厳しい。
資格
資格。もちろんそんなものは持っていません。英検3級とかぐらいです。
ところで「資格」と言えば、マンガなどでこんなセリフを聞くことがありませんか?
主人公「貴様に生きる資格などない!!」
こういったセリフを見るたびに生きる「資格」ってなんだ...?と哲学者と厨二病を混ぜ合わせたような気持ちになるのですが、この項目ではそんな「主人公の威厳」を借りたいと思います。
威厳を借りる作品はジャンプ稀代の名作「北斗の拳」。
「199X年、世界は核の炎に包まれた!!」「お前はもう死んでいる」など、数多くの名言が残されている作品です。
ここでは少し「北斗の拳 2話」をネタバレしてしまうので、楽しみにされている方はご注意ください。
北斗の拳 2話では、荒廃した世界で今日の食事も危うい中で「今日の食事よりも明日のことを」と考え、種もみを村に持ち帰ろうとする老人が登場します。
しかしそんなことは許されない世紀末。種もみを見つけたおじいさんは村に帰る途中、ネットでよく見る外道なヒャッハー達に殺されてしまうのです。
人類の未来を、明日を憂いたおじいさんを殺した、今日のことしか考えていないヒャッハー達。それを見た主人公・ケンシロウはこう叫びます。
てめえらに今日を生きる資格はねぇ!!
ケンシロウが叫んだシーンの画像は残念ながら貼ることはできませんが、セリフを検索していただければケンシロウの怒りのほどがわかると思います。
そう。「資格はねぇ!!」とケンシロウは叫んでいるのです。
「てめえらに 今日を生きる」の部分を削ると・・・。
こうなります。
無いものは無いので、ケンシロウの顔と共に堂々と伝えることにしました。全ては明日の仕事を得るために。
特技
自らを売り込むための「特技」ですが、ここは多くの就活生が悩む項目だと思います。「これが私の特技です」と言うのってなんだか照れますし、自分の特技が思い当たらない人も多いのではないでしょうか。
でも大丈夫。どんな人にも個性や特技はあります。幸い私は特技に恵まれていたので3つも書くことができました。
睡眠に大事なのは体力と落ち着きです。私は昔から「学校の授業中」「上司の車の中」「布団がないので寝袋で生活」とどんな状況でもしっかり眠れる睡眠のエキスパートでした。
もちろん寝ているだけではありません。24時間、せまい自室でひたすらゲームをするという苦行にも耐えられる忍耐力・精神力も兼ね揃えています。
3に関してはおそらく疑われることはないでしょう。こんな履歴書送ってくるやつ、今までいなかっただろうし。
アピールポイント・志望動機
ここまでで採用担当者の方に「なんだこのクズ」と思われる可能性も大いにありますが、仮に「お、ええやん?」と思われた場合を想定します。
ヤ○ザ問題で消えてしまった大物芸人ばりに「ええやん?」と思ってくれていたとしても、志望動機までふざけてしまうと「なんで履歴書を送ってきたのかわからないバカ」になってしまうでしょう。
ということで、アピールポイントと志望動機だけは、真面目に書きました。
本人希望覧
履歴書の最後にある「本人希望覧」。つまり「最後に何か言い残すことは?」ということですね。こちらもマンガや映画ではよくある展開ではないでしょうか。
「ワンピース」のインペルダウン編、「幽々白書」の仙水と樹など...。
今回は「幽々白書」の、樹が仙水に殺されそうになるシーンをお借りしました。「幽々白書」をご存知ない方はこちらをご覧ください。
幽々白書 死ぬ前に言い残すことはあるか - Google 検索
さて、肝心の内容ですが、これもどうせ面接で話しますよね。
面接で二重にお伝えすることになるので、履歴書ではもっと心からの希望を、シンプルにお伝えすることにしました。
写真
一通り書き終わったので、今回の履歴書を見直してみます。
- AV序盤のインタビュー形式プロフィール
- Wikipediaにあるような文章式の経歴
- 資格を持っていないことを堂々と伝えるケンシロウ
- 残念な特技3選
- 真面目に書いたアピールポイント・志望動機
- 「お仕事ください」
こんな履歴書に真面目な写真を貼っても逆におかしいので、写真では「リクルートスーツを着た自分の写真」ではなく、「有名人と一緒に撮った写真で人脈をアピール」することにしました。
まず、無料写真素材サイト「写真AC」で、三人組の画像を探します。
非常に仲良さげな三人ですね。
次に、著作権や肖像権フリーな、日本で最も有名な人物たちに一緒に写真を撮ってもらいます。
「そんな奴いるわけないだろ!いい加減にしろ!」と思われるかもしれませんが、でもこれがいるんです。
それが、こちらのお二人です。
織田信長と、豊臣秀吉。日本に住んでいれば誰もが一度は見たことのあるお顔ですね。
「二人の天下人とコネクションがある」これほど就職に強い写真もないでしょう。社長とのツーショットよりずっと恐い。
この二人と自分の顔を入れて、「一緒に写真を撮れる仲」であることをアピールします。
もう一度、元画像を見てみましょう。
若くてさわやかな外国人モデルたちが、肩を組んで笑っています。真ん中の青年は少し大人しそうにも感じますね。「ロサンゼルスにいそうな大学生グループ」といったところでしょうか。
これが天下人ふたりになると、こうなります。
「俺について来いや!」とでもいいそうな豊臣秀吉。
完全にラッパー化しきった織田信長。
この二人の肩を組んでまとめている私は一体何者なのか、自分でもわからなくなってきました。ここまで履歴書を作ってきましたが、「写真だけで合格できたのでは?」という疑問が一瞬生まれそうになります。
余談ですが、合成している最中に「自分の顔をでかくした方が偉そうな感じが出る」ということに気付いたので、
- 実際にはこの黒丸より大きな顔で
- 「計画通り」の表情をした
写真になっています。みなさんも「態度の偉そうな写真」を作りたい時は、ぜひ自分の顔を無駄にでかくしてみてください。
封筒
こうしてついに誰も見たことがない履歴書が完成しましたが、まだ不安な点があります。
それは・・・。
「誰も見たことがない履歴書を作っても、開けてもらえなければ意味がない」という事実です。
お送りした履歴書がぞんざいに扱われるとは思いませんが、人気企業であれば「また履歴書が来たか...。」と後回しにされてしまうことはあるかもしれません。
私の残金は2万円。一日も早く履歴書を見て面接してもらう必要があります。
色々考えた結果、封筒にこう書くことにしました。
次に、こちらの作品を鑑賞し...。
画像出典:Amazon.co.jp
A3の履歴書の裏面いっぱいに、このシーンを貼ります。
「履歴書と千?千って何だ...千円?」と疑問に思って封筒を開けると、そこには「ここで働かせてください!」と叫ぶ千。
封筒の段階から目立てますし、働きたいという強い意思も伝わるので一石二鳥ですね。
なお、1社だけには「千」ではなく、キャバ嬢のプロマイドを、履歴書の裏に貼っておきました。きっと喜んでもらえると思います。
お願い
こうして「間抜けの極みのような履歴書」を作り終えたので、私が働いてみたい4つの企業様に履歴書をお送りしました。「イカれた履歴書で目立って、面接まではたどり着く」という目標が達成できたかどうかは、また後日お伝えできればと思います。
さて、実はここまで読んでくださった皆さんにお願いがあります。
それは、Twitterです。
たとえば、当初の目的通りこの履歴書で面接までたどり着けたとしましょう。
私:「WEBライターやっていました。ブログも書いています」
面接官:「へぇ、そうなんだ。SNSのフォロワーは何人?」
私:「1800万人です」
これは採用。まず間違いなく即日採用されるでしょう。しかしながら現実は...。
ということで、就職のためにも、私が個人的にめっちゃ喜ぶためにも、フォローしてくださる方、お待ちしております。めっちゃ喜びます。
ちなみに今回はこの履歴書を4社に送付したのですが、Twitterで「履歴書送った会社、絶対○○社だろこいつ」などと送り先の会社を当ててもらうと、会社当てツイートの中から先着5000万ツイートを…。
私が勝手にエゴサで見てめっちゃ喜びます。無職で貧乏なので何もあげられませんが、ふるってご参加ください。答えが言える状態になったら回答できるかもしれません。
あと、履歴書が全く見向きもされなかったら誰かお仕事紹介してください。お願いします。靴とか舐めますんで。